魔法のコトバ

朝もやの交差点、信号は赤。
疲れた身体をほぐすため少しだけ伸びをした。
すると後ろからバイクの音と共に「ああ~だめ、ごめんなさい」の声。
ちらっと横目で見ると新聞配達のおばちゃんだ。
一時停止するつもりは全くないらしい。
ブロロッと小気味の良いエンジン音を鳴らしながら左折。
「あ~っ、あ~っ、ごめんなさい、ごめんなさい」
といいながら俺の目の前を通り過ぎていった。
一瞬目があっただろうか。
俺は苦笑いするしかなかった。
 
ごめんなさいといえばなんだって許されるんだろうか。